小寒。
Minor Cold, marks today on the 72 seasons of our ancient calendar.
この数日は仕舞ったままだった襟巻きを出し、手袋を携え、防寒でマスク。
二十四節気がピタリとくるなーと感じる日は、私達が狂わせてしまっている地球もまだ古えのリズムを覚えているのかな…?と、少し救われる想いになります。
今日は自主的に仕事始め。
同僚と二人で静まり返ったオフィスに詰めて、新学期より一足お先に準備や経理報告の数字を整えて、午前で切り上げ。
帰りしなの通勤路、普段は横眼で意識しつつも駆け足で通り過ぎる道具屋さんに立ち寄り。
4ヶ月ぶりの再訪。
初じめて暖簾をくぐった瞬間に、トランス状態誘発所(別名「散財スポット」)と自認し、
職場の往き来の際も極力視野に入れないよう、また、渡ってでも道の反対側を通行するよう努めてきたけど…
松の内やけん。
休日出勤やし。
数えで四十やんか。
酉年になったんえ。
今日までよう堪えた。
と、辻褄の合いそうで合わない言い訳を脳裏に並べてVISAカードの所在を確認しつつ入店をめいいっぱいjustify し、いざ。
狙いは漆椀。
でも、漆の知識も目利きもない。
自分の思う用途に相応な品を定める基準が分からない。
早速店主を呼んで相談。
昔からそういうハナだけは効くタイプではあるけど、今回も時季が絶妙。
蓋付き汁椀の需要が増える暮れから正月明けは椀の蔵出し=旧い型の在庫処分品が多いそう。
良い買い物は出逢いでしかない。佳い日になりそうだ。
結局、
汁椀に丼、くり抜きの櫃と菓子壺を調達。
塗りの個性を撰び、造りの違いを理解し、自分の手が歓び目が愛でた一つ一つと契りを交わす充足感ったら。
失われつつある職人技、この風土・生活に根差したミニマルな機能美、受け継ぐに耐える伝統品。
息子が生きていく未来に、果たして幾つ遺せるだろうか。
それは語らずとも、先に光明が差してないことは周知だ。
作れない私は、購うことが守ること、だから、できることから、できることだけ。
百貨店では手に取る気が起きないし、いわんや通販。
作家さんと通じ、工房を知り、材質の特性を極め、型の変遷に明るい店主と対話しながら、薀蓄に頷き、質問を投じたり、手入れを指南されたり。
買う、が、継なぐ、に為る瞬間も愉しめるのは愛好家が営む専門店ならでは。
きっとそれは、
食品、住宅、衣服、治療、サービスでも同じこと。
為す人の心と所望する人の間に入る人や行程が少ないほど、本質が霞むことなく在り続けるのかな。
年を新ため、歳を重ねるからこそ、回帰していきたいコトに目を向けられるようになってきたような。
まだまだ惹かれる道具が数あれど。
じっくり、縁を待って、コツコツ貯めて…(笑)